鼻腔に局所麻酔薬を噴霧して麻酔したのち、細い(経口胃カメラの半分の太さ)胃カメラを
鼻から挿入して行う検査で、スクリーニング(検診・胃痛の原因診断)には最適の方法です。
生検(組織の一部を採取する)も可能です。挿入時の吐き気が少ないため、
最近は経鼻胃カメラを希望する人が増えています。(2023年当院データでは約92%)
当クリニックでは、経鼻法と経口法を御希望により選択することが可能です。
左)経鼻胃カメラ 中・右)経口胃カメラ
1)吐き気がほとんどありません。
胃カメラが舌の付け根を通らないため、「おえーっ」となる反射が生じにくいのです。
2)検査中も会話が可能です。
マウスピースをかむ必要が無いので、検査中も普通に会話することができます
3)ノドの麻酔がいりません。
鼻腔に局所麻酔薬を噴霧するだけで、鼻の痛みが無くなりますので、咽頭麻酔
(ノドに麻酔薬をためる。ノドを麻酔薬でうがいするなど)は不要です。
4)検査後比較的早く食事摂取が可能です。
ノドの麻酔を行わないので、検査後30分程度で、むせずに食事をとる事が可能です。
(ただし生検した場合は除く))
1)鼻腔のせまい方、鼻血の出やすい方などでは検査が行えないこともあります。
(2023年当院データでは、経鼻挿入困難例は約0.75%)
2)治療目的(出血を止めたり、粘膜を切除するなど)の内視鏡には、カメラが細すぎて
治療用の器械を通すことが出来ないため、適しておりません
3)偶発症の発生頻度が経口法に比べて高い。
(2023年当院データでは、経口:0例 ,経鼻:7例(軽度鼻出血7例)
以上のメリットとデメリットを考えると、以下のような方で、スクリーニング
(検診・胃痛の原因診断など)目的で、胃カメラ検査を受ける場合には、
経鼻胃カメラを選択する方が良いでしょう。
1)以前に経口胃カメラで、かなり苦しいと感じた経験のある方
2)嘔吐反射の特に強い方
3)胃カメラが初めてで、恐怖心の強い方
4)開口障害のある方